みなさん、こんにちは
これまで、環境計量証明事務所、下水道関係の分析室、環境コンサルの分析室等、実務で環境分析をしてきました。それから、環境影響評価にも携わってきました。将来環境に関する仕事をしたい方に、私が思うことを正直に書きますよ。
数ある職種のなかで、環境に関する仕事がしたいと思ったあなた。きっと希望を持ち志も高い方がたくさんいるんだろうなと思います。そうであってほしい。
ですが、… 正直に言います
耳障りのよい「環境」「衛生」「安全」に関する仕事っていうのは、想像しているものと違うと思う人が案外いるんじゃないかなと思います。
- 環境 → 環境が悪いので良くするお仕事
- 衛生 → 汚いからきれいにするというお仕事
- 安全 → 危険なので安全にするお仕事
と思って仕事を選んでください。イメージと逆のお仕事なんです。思ったより「汚い」「危険」「給料安い」という「3K」のお仕事なんですよ。
具体的なお仕事
環境問題を解決・改善する仕事
この分野は、科学的・技術的な知識を活かし、環境汚染の防止や持続可能な社会の仕組みづくりに貢献します。
- 環境コンサルタント:企業や自治体に対し、環境問題の調査、分析、改善策を提案します。環境アセスメントや脱炭素化支援も行います。
- 環境計量士:大気、水質、土壌などの汚染物質の濃度を正確に測定・分析します。
- 公害防止管理者:工場などからの排出物(ばい煙、排水など)が環境基準を満たすよう管理・監督します。
- 環境アセスメント調査員:大規模開発事業が環境に与える影響を事前に調査・予測・評価します。評価して、必要に応じて環境保全措置を検討し実行します。
- 再生可能エネルギー技術者:太陽光、風力、地熱などのクリーンエネルギー技術の開発や導入に携わります。
- 廃棄物処理・リサイクル技術者:廃棄物の適正処理やリサイクルの技術を開発・運用します。
環境への意識を広める・伝える仕事
この分野は、教育やコミュニケーションを通じて、人々の環境意識を高め、行動を促す役割を担います。
- 環境教育指導者(インタープリター):学校や施設などで、自然の仕組みや環境問題についてわかりやすく伝えます。
- ネイチャーガイド:観光客に自然の魅力を伝えるだけでなく、自然保護の重要性も教えます。
- アウトドアインストラクター:アウトドア活動を通じて、自然との触れ合い方や安全な利用方法を指導します。
- 企業内サステナビリティ推進担当者:企業の中で、環境配慮型経営(ESG、SDGs)の戦略を立て、実行を推進します。
これらの仕事は、それぞれ専門性や求められるスキルが異なりますが、共通して「より良い環境を未来につなぐ」という目標を持っています。
自然を直接守る・育てる仕事
これらの仕事は、自然の中で活動し、生態系や森林、農業といった分野で、環境保全に直接貢献します。
- 自然保護官(レンジャー):国立公園などの自然を守り、利用を管理する国家公務員。
- 森林官・林業従事者:森林の育成、保全、伐採などを通じて、健全な森林サイクルを維持します。
- 樹木医:病気や衰弱した樹木の診断・治療を行い、樹木の保護・保全に貢献します。
- 農家・漁師:持続可能な方法で農産物や水産物を生産し、自然との調和を図ります。
- ビオトープ管理士:地域の生態系を保全・再生するための計画策定や管理を行います。
まぁ、環境関連のお仕事といっても多岐に渡ります。今、ぼんやりと「環境系にいきたいんだよね~」と思っているのであれば、このような仕事があるということを知ってください。また、上記にない仕事の中に最近は地球温暖化対策(緩和と適応)に関連したお仕事や脱炭素だったり、温対法(地球温暖化対策の法律の略です)の温室効果ガスの定期報告をすることを含む、企業の脱炭素に関するお仕事も増えてきました。自分の「好き」と「適性」の折り合いをつけて環境系の業界に飛び込んでもらいたいと思います。
きっと「こんなはずじゃなかった」、「結構キツい」とか「給料安っ」という風に思う人もいるかもしれませんが、これ、現実です。
給料がいいのは、コンサルタントが基本高いです。その代わり、スキルや有資格者が有利です。環境分析は、分析の単価が安い限り給料も安いです…。そして意外と体力勝負です。レンジャーさんでなくても立ち仕事も多い、現地調査で山奥まで入ることもあります。現在は環境系はニーズもそれなりにありますし、達成感もあります。ネガティブな事をたくさん書きましたが、それでもやってみたいという人は、是非、この業界に来てください!
活躍を期待しています!
